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倒産しても再起業は可能か?

倒産しても再起業は可能か?再起に向けての注意点を解説!
目次
 
昨今の社会情勢で売上が激減して倒産に追い込まれたり、また取引先の倒産による連鎖倒産の余波を受けたりなど会社の責任でなく自己破産を余儀なくされた経営者がいるかもしれません ここでは倒産しても再起業は可能であることについて解説します。
 
自己破産しても再起業は可能であるのか、また再起業のするための方法とは、また再起業のための資金調達方法や注意点について解説します。
 
捲土重来を期す経営者はぜひ最後までお読みください。

自己破産しても再起業は可能?

自己破産をしても会社法の施行により再起業は可能となりました。 自己破産を申し出た際、免責決定後において制限のあることについても解説します。

自己破産しても社長は可能!

中小企業が倒産する場合、通常代表取締役は法人の債務を保証していることから経営者も破産する場合が多いです。 現在の会社法が施行前は破産手続き開始決定を受け復権していない場合、取締役の欠格事由に該当していました。 しかし、2006年の会社法の施行により欠格事由は除外されました。 会社法では株式会社と役員との関係は委任であり、民法では役員が破産すれば退任することと定められています。破産手続き開始決定を受けた場合、取締役を退任しなければなりませんが、株主総会で承認されれば取締役に就任は可能です。 従って、自己破産した経営者も社長につくことが可能です。 会社法の施行で事業に失敗しても再チャレンジの道が開けたということです。

自己破産の手続き中に制限されることは?

自己破産を手続きして開始決定するまでに制限されることはあるのでしょうか。 手続き中の制限について次の3つの制限があります。
  • 資格や職業の制限
  • 所有財産の制限
  • 居住移転の制限

資格や職業の制限

自己破産の手続き中には資格や職業に一定の制限があります。 主な職業として、他人のお金を扱う職業やいわゆる「士業」には就けません。 具体的に
  • 後見人
  • 保険外交員
  • 警備業
  • 宅建士
  • 司法書士
  • 行政書士
などがあります。

所有財産の制限

自己破産をすると、負債の返済を免除してもらえる代わりに、当面の生活にかかる資産を除き資産を処分しなければなりません。 手元に残しておいて問題ない資産とは以下の財産です。
  • 99万円以内の現金
  • 20万円以内の預金
  • 評価額20万円相当以内の財産

居住移転の制限

自己破産手続き中は、決まった場所に居住する必要があります。 転宅や3日以上の旅行をするには裁判所の許可を得なければなりません。 新たな場所で再起業を考えている場合、免責が確定してからがいいでしょう。

自己破産手続き後にも一定の制限が発生する

自己破産の手続きが終わり、免責決定されれば会社の取締役に就任は可能です。 しかし、免責決定された後も一定の制限が発生するので注意しなければなりません。 主な注意点として次の2点があります。
  • 資金調達が厳しい
  • 事業に必要な物件や機材が借りられない恐れがある

資金調達が厳しい

自己破産を行うと、破産した情報が個人信用情報機関に記録されます。 経営者が銀行など金融機関で融資の申し込みを行っても、破産の情報が記録されているため審査に通らないことがほとんどです。 経営者は再起業のための資金調達の手段は限られ、厳しいかもしれません。

事業に必要な物件や機材が借りられない恐れがある

再起業を考えるにあたって、事務所を借りたりパソコンなど業務に必要な機材をリースしたり準備をします。賃貸借契約やリース契約を行うのが一般的です。 契約を結ぶ前に通常審査があります。審査内容は過去の返済履歴等金融機関の融資同様個人信用情報の照会が主な審査とされています。 厳しい結果が予想されるため、経営者は事務用品を最小限に抑えなければなりません。 事務所を借りる場合は保証委託でなく連帯保証人を立てるなどして契約されるのがいいでしょう。

再起業するための方法

自己破産を申し出て免責決定したあと、再起業するためにはどのような方法があるのでしょうか。

お金を貯めてから再起業

免責されたとはいえ、個人信用情報に情報が記録されている間、金融機関からの融資は厳しいでしょう。 再起業するために経営者自身が事業資金を貯めることは時間がかかりますが、リスクが少ない方法です。

親族や家族を代表者とする

親族や家族を代表者として会社を設立することも再起業の一つです。 経営者の個人信用情報に破産記録が残っているからです。 親族や家族が代表者となれば金融機関の融資を受けられる可能性があります。

初期費用がかからない業種を選ぶ

再起業をする場合、初期費用のかからない業種を選ぶことが重要です。 店舗や在庫、設備を準備すると資金がかかります。 再起業時には次の3点を考えることがおすすめです。
  • 人件費をかけない
  • 在庫をおかない
  • 売上回転期間を短くする

人件費をかけない

従業員を雇うと人件費以外にも社会保険料などの費用がかかります。再起業時には従業員を雇わず、できる限りコストを抑えるようにしましょう。

在庫をおかない

初期費用として商品仕入資金が必要となる場合があります。また、在庫を抱えると倉庫を借りるなどして管理しなければなりません。費用が発生するため、在庫をおかないことはリスクの軽減にもつながるでしょう。

売上回転期間を短くする

安定した手持ち資金を確保するためには、販売してから代金回収までの期間を短くすることが必要です。同時に仕入から支払いまでの期間が長いと資金繰りに余裕ができます。 そのため、再起業において、売上回転期間の短いビジネスを選ぶことが重要です。

再起業のための資金調達方法および注意点

再起業にあたり、気になるのは事業資金ではないでしょうか。ここでは事業資金の調達方法および注意点について説明します。

資金調達方法

事業資金を調達するにあたり、次の3点が考えられます。

親類や知人から借りる(破産した方にはお勧めはしない。ビジネスプランに自信がある方はエンジェル投資家にプレゼンがお勧め)

自己破産をすると、新規の融資が厳しくなります。そのため、事業資金の準備に支障をきたしかねません。当面の事業資金を親類や知人より借入を行うことも資金調達のひとつです。

再挑戦支援資金の利用(但し審査がかなり厳しい。申請件数、融資件数を公開していない)

日本政策金融公庫では、廃業歴等があり、創業に再チャレンジする人の創業を再挑戦支援資金として利用が可能です。融資限度額が7200万円ですので、再起業の事業規模に応じて利用を検討し資金繰りの安定を図ることもいいかもしれません。

小規模事業者持続化補助金の利用

小規模事業者持続化補助金とは小規模事業者等が販路開拓等に取り組む費用の一部を補助する制度です。商工会議所や商工会に申請手続きを行い審査に通らなければなりません。 年に数回受付期間があるので注意が必要です。資金調達の一つとして検討するのもいいでしょう。

注意点

再起業に関して資金面で注意する点があります。

元手を準備するのが厳しい

自己破産により当面の生活に必要な資産以外処分されます。そのため、元手を準備するのが厳しいです。再起業を検討する場合、少ない資産で事業を行うことが必要です。また売上回転期間が長いと運転資金に支障をきたす恐れがあるため、売上が早期で回収できるビジネスがいいでしょう。

クレジットカードが作れない

自己破産を行うと、破産した情報が個人信用情報機関に記録されます。 クレジットカードを作成する際、カード会社は個人信用情報機関に信用状況を問い合わせるため、新規のカードは作成できません。また、既存のカードも使えなくなります。

借入・融資の審査に通らない

クレジットカード作成のときと同様に借入および融資の審査に通らない恐れがあります。銀行等も融資審査で個人信用情報機関の情報を共有するためです。 破産情報は通常個人信用情報機関には5年~10年の間残るため、借入等資金調達において厳しいやりくりをしなければなりません。

まとめ

自己破産をすれば再起業はできないという時代は終わりました。 むしろ政府は再チャレンジを推奨しているほどです。(但し現状の実績は?) 再起業に必要な資金調達についてはいくつか越えなければならない障壁があるでしょう。 時間はかかるかもしれません。
 
しかし、再起業は可能です。 倒産を一つの糧としてぜひ再起業を成功してください!
 
一人では再起業が困難と思える事も、同じような経験をした仲間と一緒なら、もう一度、再チャレンジできるかもしれません。
 
失敗に厳しい日本。 挑戦したことをたたえる、失敗を経験として評価される日本に変われば、必然的に創業率も上がり、挑戦する人が増えます。
 
再チャレンジができる仕組みと応援される社会に